森下幹人には姉がいますが、姉から用事があるので甥っ子を預かってほしいとお願いされました。ちょうど会社が休みの日だったこともあり気軽に請け負いましたが、小学校4年生の子供のパワーを侮っていました。宿題を持参してきたので、机に座っている間は大人しかったのですが、宿題が終わると部屋の中を走り回るので困ってしまいました。
下の部屋に住む住人にも子供が走り回る音は迷惑だと感じたので、昼食を食べるために出かけることにしました。ファーストフードで食事をした後、何をしようかと迷っていたら、甥っ子からアニメ映画を見たいと頼まれました。姉は普段からテレビや漫画は勉強に差し支えがあるという考え方らしく、家でもアニメを見る機会はないということです。
しかし甥っ子は友達がアニメを見ているのを羨ましそうに話すので、これはアニメ映画を見させてあげたいと自然に感じました。そこで森下幹人はショッピングモール内にある映画館に甥っ子を連れていくことにしましたが、アニメ映画であれば子供ばかりではないかと少し心配になりました。実際に館内に入ると、子供に付き添いで来ていた大人だけでなく、本当にアニメを見たくて訪れる大人も多いことがわかり少し驚きました。
しかし映画の上映が始まったら、甥っ子以上に森下幹人のほうがストーリーに入り込んでしまい、途中で涙が出たこともありました。終わった後は、日本のアニメが世界で評価される理由がわかったように感じました。